どうも、管理人です。
今回は、横浜市金沢区内におけるバス事情から。
白山道循環 減便へ
今回、昼行便が廃止される「小泉回り」(文5)系統 (16.7.13 上行寺)
京浜急行バス能見台営業所は、2019年4月1日より
金沢文庫駅発着の路線バスのうち白山道循環線
(文5:小泉回り・文6:六浦回り)を減便することを明らかにしました。
減便を知らせる通知文 (19.3.22 金沢文庫駅西口)
1.白山道循環とは?
白山道循環は、1951年に横浜市営バス26系統として開業した路線であり、
金沢区内に現存する路線としては、京急バス4系統(横浜ー磯子ー追浜線の一部)、
神奈中バス船08系統(大船ー公田ー金沢八景)などと並び、古い路線の1つです。
1959年4月1日に京浜急行へ移管されて以来、
京浜急行グループの手によって60年にわたり運行されています。
現在も左右回り(小泉回り・六浦回り)両方向運行が運行されており
過去には、各方向40回以上、さらには大回り・小回りの系統も存在するなど
金沢区南部(六浦地区)の生活の足として、大きな役割を果たした路線です。
また、白山道~六浦(下図:左下)は狭隘道路につき、2000年春まで、
ツーマン運行(安全誘導員添乗)されていたといわれています。
2000年春に、金沢文庫~白山道・西ヶ谷戸の区間において、
高舟台循環線・八景台住宅線(文10・11系統)が開業したことに伴い、
中型車から小型車へ切り替えられ、運行本数も大幅に減少することになりました。
白山道循環線路線図 (赤線)
金沢区内で唯一、踏切を渡る営業路線でもある。写真のバスは教習中。
(12.2.25 泥亀1-東急車両)
2.何時台が減るのか?
さて、白山道循環は管理者の記憶が正しい限り、2000年のダイヤ改正以後、
運転時間帯の改正はあるものの、大きなバス本数増減はなかったと記憶しています。
ですので、現在まで20年間概ね本数が一緒だと思います (;'∀')
そこで新旧時刻表を並べてみましょう。
現行路線時刻表(19.3.22撮影)
小泉回り(北・左回り)は、午前に4本、午後に2本の6本設定されています。
特に、朝は白山道(釜利谷)や六浦の人が金沢八景駅へ接続するために
利用されており、特に7・8時台の利用は立ち乗りも目立ち旺盛な需要があります。
六浦回り(南・右回り)は、11時以降の日中に4本設定されています。
京急ストアやイオン(旧:ダイエー)から、六浦・白山道方面へ帰る際や、
区役所へ訪れた方が利用することが考慮されていたのかもしれません。
この路線が4月1日から大きく変わります。
新時刻表。 両方向で6便まで減少する。
小泉回りは、午前のみの運行となり午後の運行(2本)が取りやめになります。
また、六浦回りは12時と16時の2本のみに半減することになります。
3.考察
今回のような再編、原因は利用者不足だと思われます。
地域の変化を記録すべくフラフラしていますと、バスを見かけました。
日中時間帯の白山道循環線の利用状況は、座席定員の半分程度のことが多く、
「このままだと、路線廃止になってしまうのではないのか?」と思うほどでした。
特に、ダイエー金沢八景店が無料送迎バスを釜利谷地区から運行開始後は、
利用者が減ったような気がしています(目測であり実際に計測していませんが…)。
最近は、このバスにも多くの人が毎便乗者していますので、
一定数、シフトしている可能性もあり得るでしょう。
イオンのお買い物バス(18.4.7 泥亀1丁目)
敬老パスを利用していた利用者層が、高齢化とともに最寄りまで来てくれるバスや、
通信・宅配販売へ切り替えるなど、利用者層の変化も考えられられる1つです。
さらには、業界全体として「運転士不足」が話題になっています。
一方で、「バスの増発」や「バス不便地域へバス新設」を求める声もあり、
事業者側も「利用者が少ない路線」を現状のまま維持し続けることが
困難になっている可能性もしてきます。
おそらく、利用者減の要因は複合的なものであり、
単一利用ではないと思われますので、断言できないというのが答えだと思います。
4.まとめにかえて
今年は民間移管60周年の節目の年になります。
そう考えると、その記念日に残念な話でもあります。
しかし、その中でも需要のある時間帯の運行は継続されており、
バス運行会社さんの中でも、地域の移動手段を奪わないように配慮されている
と読み取ることができます。
2019年春には金沢八景駅前の区画整理事業が完成し、
シーサイドラインと京浜急行の乗り換えが便利になるほか、
駅前にはビルが相次いで建設され新しい街が作られています。
京急改札を出てすぐにシーサイドラインへ。反対側には駅ビルも整備される。
(2019.3.10 金沢八景駅東西自由通路)
そうなれば、文庫方面のみならず、金沢八景方面への利用者も増加する可能性も…
どうなっていくのか、見守るとともに
公共交通を積極的に利用して残していきましょう!
5.参考資料
・現地調査
・横浜市交通局「市営交通80年史」
(※ wikipedia 京急バス能見台営業所にも同様の記述有)
・全国バス路線便覧 及び 京浜急行社史
(※ wikipedia 京急バス能見台営業所にも同様の記述有)
・NAVITAIME 白山道循環
・Wikipedia 横浜京急バス能見台営業所